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室町・戦国時代の歴史・古文書講座

歴史学研究者、古文書講師の秦野裕介がお届けする室町・戦国時代の知識です。

古文書入門

足利義詮御判御教書(『朽木家古文書』、国立公文書館)

古文書入門です。国立公文書館所蔵の「朽木家古文書」の写真版を教材に古文書の読み方を勉強しています。 www.digital.archives.go.jp 本日は足利義詮御判御教書です。 足利義詮御判御教書 国立公文書館蔵 では早速釈文と読み下しから行きましょう。 ますは…

足利尊氏袖判下文(『朽木家古文書』国立公文書館)

今週は改元便乗企画のため、古文書入門を水曜日に変更しています。来週は通常通り月曜日が古文書入門になります。 朽木家古文書から20号文書の「足利尊氏袖判下文」です。 では写真を見てみましょう。 足利尊氏袖判下文 国立公文書館所蔵 www.digital.arch…

足利直義御判御教書(『朽木家古文書』国立公文書館)

今日は「足利直義御判御教書」を読んでいきます。 www.digital.archives.go.jp 足利直義御判御教書 まずは何を置いても釈文から行きましょう。 越前国金崎凶徒退治事、所差 遣尾張左近大夫将監也依之佐々木 五郎并浅井・伊香・坂田郡地頭御 家人等同令発向畢…

足利義満袖判裁許状(『朽木家古文書』国立公文書館)

前号の文書の判決を覆す内容です。 ここからダウンロードしてみていただけるとわかりやすいかもしれません。 www.digital.archives.go.jp 足利義満袖判裁許状 つべこべ言わずに釈文を出します。 (花押)佐々木出羽守氏秀与称弥陀院雑掌相論、近江国高嶋本庄…

足利直義裁許状(『朽木家古文書』国立公文書館)

『朽木家古文書』より足利直義裁許状です。 www.digital.archives.go.jp 早速文書の写真を。 足利直義裁許状(国立公文書館蔵) 文書が大きいので小さくなっています。ダウンロードして拡大してください。 まずは釈文です。 佐々木四郎右衛門尉行綱女子尼心…

後円融天皇口宣案(『朽木家古文書』国立公文書館)

古文書の日がやってきました。 引き続き国立公文書館所蔵の『朽木家古文書』からです。 www.digital.archives.go.jp 後円融天皇口宣案 まずは釈文です。 上卿 洞院中納言 永和二年正月廿二日 宣旨 従五位下源氏秀 宜任出羽守 蔵人頭右近衛権中将藤原隆廣奉 …

光厳天皇綸旨(『朽木家古文書』国立公文書館所蔵)

古文書入門です。 『朽木家古文書』二号文書の「光厳天皇綸旨」です。難しいところがありますので、とりあえず読めるところだけでも読むことをお勧めします。前二行は読みやすいです。途中から急に字が崩れてきます。 とりあえず釈文です。上の文書と照らし…

『戦国古文書入門』刊行のお知らせ

渡邊大門編『戦国古文書入門』(東京堂出版)が本日刊行されました。 www.tokyodoshuppan.com 戦国古文書入門 私は伊達政宗・長宗我部元親・上杉謙信を担当しています。下の画像は私もプレイしている戦国IXAの画像です。(Copyright © 2010-2019 SQUARE ENIX…

後醍醐天皇綸旨(『朽木家古文書』(国立公文書館所蔵)所収)

月曜日は古文書の解説です。 第一回は後醍醐天皇綸旨です。確か「古文書入門」というカテゴリーで後醍醐天皇綸旨(『東寺百合文書』)をやっていた記憶はあるのですが、それは忘却の彼方、ということで気にせず新しいシリーズとして始めます。 一回で1つの文…

後花園天皇宸翰消と足利義教自筆御内書2

前回見てきました後花園天皇宸翰消息および足利義教自筆御教書(熱田神宮宝物館所蔵)の解説です。 前回のエントリはこちらになります。 sengokukomonjo.hatenablog.com これについては『看聞日記』永享五年十二月十二日条にいろいろ書いてあります。 十二日…

『戦国古文書入門』(東京堂出版、2019年)の執筆の裏話

渡邊大門編『戦国古文書入門』執筆者の一人の秦野です。 www.tokyodoshuppan.com 戦国古文書入門 私以外の執筆者のお名前も知ることができました。みなさま、その界隈の一流の方ばかりで、私などがそこに混ざっているのはおこがましい限りです。 私は実はく…

後花園天皇宸翰消息と足利義教自筆御内書

熱田神宮所蔵の後花園天皇宸翰消息と足利義教自筆御内書を見に行ってきました! その感想について述べてみます! 現物の写真は下記のサイトで見ることができます。 www.atsutajingu.or.jp まずは後花園天皇宸翰消息から見ていきます。画像はリンク先をご覧く…

『戦国古文書入門』(東京堂出版、2019年)出版のお知らせ

東京堂出版の「これから出る本」に以下のお知らせが出ています。 www.tokyodoshuppan.com この書籍には私も些少ながら関わらせていただいております。 出来ればご近所の行きつけの書店で購入くださると地域の書店の振興にもつながりますし、他にも色々余慶が…

後花園天皇をめぐる人々−敷政門院庭田幸子

後花園天皇の実母です。 この時代の女性の名前についてまずお話しします。 我々は源頼朝の妻の北条政子や足利義政の妻の日野富子の例を見て、日本で夫婦同姓が全く伝統ではないことを知っています。 ただこれは少し注意を要します。 頼朝が知らない政子とい…

天皇、綸旨を取り消されたってよ5

荒れ果てた神泉苑。そこに現れた唐橋在綱の家人たち。 「ここの土地は俺たちが天皇様から拝領したんだ、ヒャッハー!!!!」 神泉苑を管理していた長福寺とその管理者である東寺が訴え出た。 「あいつら、嘘ついて天皇様の綸旨をもらってやりたい放題です」…

天皇、綸旨を取り消されたってよ4

綸旨を取り消されるということはよくあるのでしょうか。不勉強なんでその辺はわかりませんが、御成敗式目にも「掠め給わる」という言葉が出てきますので、昔からお上を騙して不正に補助金やらを「掠め給わる」悪党はいたんでしょう。この場合補助金を出した…

後花園天皇、綸旨を取り消されたってよ3

唐橋在綱「今、金がなくって困ってんすよ〜。収入、なんとかなりませんかね」 後花園天皇「よっしゃ、ワイの持っとる土地で荒野になってしもたのがあるから、それやるわ。それをなんとかしろや。おい、(庭田)雅行、(鷲尾)隆頼、綸旨出したれ」 庭田雅行…

後花園天皇、綸旨を取り消される2

後花園天皇が綸旨を取り消される、という事件について取り上げています。 次にあげる「室町幕府奉行人連署奉書」であっさり取り消されています。 hyakugo.kyoto.jp 翻刻から。 神泉苑境内事、号荒野菅二位 在綱卿家雑掌猥被掠給綸旨云々、 於彼地近遍者、有…

後花園天皇、綸旨を取り消される

「綸言、汗の如し」という言葉があります。綸言とは天皇の言葉、汗の如し、というのは汗のように一旦出たら取り消したり訂正したりできないもの、という意味です。 為政者が自分の言った言葉を簡単に翻して、全く恥じなければ、為政者の言葉に重みがなくなり…

後花園天皇宸筆女房奉書

女房奉書について、少し見ていきたいと思います。 題名がそもそもおかしいですね。「奉書」なのに「宸筆」。つまり「奉書」とは主君の意を奉って祐筆が書く書状のはずです。天皇の意を奉じるのであれば「天皇様はこのように仰せである。そこで私が天皇様の意…

『看聞日記』永享七年八月六日条のうちから伏見宮御所移転関係

翻訳から 三条中納言(実雅)が来た。用事は何かわからない。急いで対面した。申される内容は「室町殿様(足利義教)が京都御所を建てられて、それを伏見宮様に進上したいということです。ただ御在京は御仕えする人々にとっては難儀なことなので、このまま伏…

後花園天皇宸翰消息

後花園天皇の宸翰消息です。宸翰とは天皇の直筆のことです。後花園天皇の宸翰消息は散らし書きという特殊な書き方で書かれています。 しかし読みたい現物は宮内庁の所蔵で、国文研のサイトに載せられていますが、思いっきり「禁無断転載」とあります。こんな…

後醍醐天皇綸旨を読む

天皇の命令を伝える文書である綸旨(りんじ)を読んでいきます。 京都府立京都学・歴彩館所蔵『東寺百合文書』ホ14ー1文書です。 hyakugo.kyoto.jp 色の違う部分です。綸旨の最大の特徴はこの色です。詳しくはここをご覧ください。 28. 薄墨(うすずみ)…

織田信長朱印状を読む3

少し間が空いてしまいました。織田信長朱印状を読むシリーズです。前回翻刻までは済ませました。そして印判状のバリエーションを少し見てみました。 では元に戻って、朽木元綱宛織田信長朱印状を見ていきます。 国立公文書館所蔵『朽木家古文書』「織田信長…

印判状のバリエーション

今日は印判状を見て行きます。と言っても、印判状は「印判が捺してあるもの」なんで、印判状と一口に言いましても本当に様々なものがあって、これを「印判状」の一言で処理するのも如何なものかと考えています。 昨日まで見てきた織田信長の印判状です。朱印…

織田信長朱印状を読む2

まずは現物を。 国立公文書館所蔵『朽木家古文書』より織田信長朱印状です。 印判状とも呼ばれます。印判すなわち印章すなわちハンコを捺したことからこの名があります。ハンコ、もとい印判には朱印と黒印などがあります。花押の代わりに印判を捺してあるの…

織田信長朱印状を読む

今回は朱印状を読んでいきます。まずは現物を。国立公文書館蔵『朽木家古文書』三十八号文書「織田信長朱印状」です。 織田信長は人気がありますね。娘の保育園のお友達のお母様に中世史に関心がある方がいらっしゃって、「織田信長が好きです」とおっしゃっ…

足利義晴御内書の検討

www.digital.archives.go.jp 国立公文書館所蔵「朽木家古文書」から「足利義晴御内書」です。 御内書ですから次の三つの特徴があります。 1、年号を欠く書状形式の直状。 2、書止文言が「也」と言い切り。 3、室町殿の花押が据えてある。 中身はざっくり…

琉球宛の「御内書」

弘前大学の関根達人先生から反応をいただいたので、琉球と室町幕府の関係について、少し見ていきたいと思います。 現在残存している日本国王→琉球国王宛文書は四通です。ちなみに日本国王は「室町殿」、琉球国王は「世の主」と呼ばれていました。 最初の一通…

御内書

前回までしばらく連署奉書をやってました。今日は御判御教書(ごはんのみぎょうしょ)と並ぶ代表的な室町殿が発給する直状(じきじょう)形式の文書である御内書(ごないしょ)について見ていきます。 御内書は室町幕府の後期になってくると急増する文書で、…