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室町・戦国時代の歴史・古文書講座

歴史学研究者、古文書講師の秦野裕介がお届けする室町・戦国時代の知識です。

古文書入門

室町将軍家御教書(『朽木家古文書』62 国立公文書館)

『朽木家古文書』62です。 とりあえず写真を。 室町将軍家御教書 朽木家古文書 国立公文書館 釈文 若州發向事不日可被 致忠節之由所被仰下也 仍執達如件 嘉吉元年十一月三日 右京大夫(花押) 佐々木朽木満若殿 一行目の一番下の「被」と二行目下から四字…

京極導誉書状(『朽木家古文書』55 国立公文書館)

婆娑羅大名と呼ばれた佐々木京極導誉の書状です。 京極導誉は道誉の方が有名です。「京極導誉」でグーグル先生に聞くと「もしかして京極道誉?」と聞かれます。 自署では「導誉」なので「導誉」が正しいのですが、「入道々誉」と書かれるので「道誉」が有名…

室町将軍家御教書(『朽木家古文書』47 国立公文書館)

追記:「和州」を和泉国としていましたが、大和国です。 古文書入門です。「室町将軍家御教書」『朽木家古文書』47号文書です。 「室町将軍家御教書」とありますが、「御判御教書」と名前は似ていますが中身は全く異なります。 もともと「御教書」というの…

足利義稙御内書(『朽木家古文書』37 国立公文書館)

月曜日恒例の古文書入門です。 今日は「足利義稙御内書」(『朽木家古文書』37号文書)です。 御内書は将軍家の私的な用事のための書状が発展したもので、義教期あたりからいろいろな命令を伝えるものとなっており、例えば足利成氏を討て、という命令を伝…

足利義晴御内書(『朽木家古文書』32 国立公文書館)

朽木家古文書三十二号文書「足利義晴御内書」です。 www.digital.archives.go.jp つべこべ言わずに現物を見てみましょう。 足利義晴御内書 年号がありません。これは御内書と呼ばれる古文書の特徴です。花押が日付の下(これを「日下」といいます)にありま…

足利義昭袖御判御教書(『朽木家古文書』国立公文書館)

月曜日恒例の古文書入門です。 本日は足利義昭袖御判御教書です。 www.digital.archives.go.jp 足利義昭袖御判御教書 国立公文書館 釈文です。 ⬜︎⬜︎(近江)国高嶋郡名字地 ⬜︎⬜︎(等知)行分所々事、如祖父 ⬜︎⬜︎(信濃カ)守稙綱時、朽木弥五郎 ⬜︎⬜︎(元綱)…

足利義稙袖御判御教書(『朽木家古文書』国立公文書館)

本日は国立公文書館所蔵『朽木家古文書』28号文書の足利義稙袖御判御教書です。 ここのところ御判御教書はずっと見ていますので見飽きている方も多いでしょうが、お付き合いいただけると幸甚です。 足利義稙袖御判御教書(国立公文書館所蔵) とりあえず釈…

足利義政袖判御教書(『朽木家古文書』国立公文書館)

前回お休みをいただいた古文書講座です。 YouTubeでこれを配信することも考えてはいますが、かなり恥ずかしいので考え込んでいます。期待せずにお待ちください。 とりあえず写真です。 足利義政袖判御教書(国立公文書館蔵) 朽木家古文書26号文書です。 …

足利義政袖御判御教書(『朽木家古文書』国立公文書館)

月曜日深夜更新の古文書入門です。 今日は「足利義政袖御判御教書」です。前回の「足利義満袖判下文」との違いは書式ですが、そもそも室町時代も中期以降になりますと下文は出されなくなります。そして下文で行われていた土地などの永続的な権利関係の文書が…

足利義満袖判下文(『朽木家古文書』国立公文書館)

古文書入門です。国立公文書館の『朽木家古文書』を題材にして古文書の簡単な解説を行なっています。 足利義満袖判下文(国立公文書館蔵) www.digital.archives.go.jp では釈文です。 (足利義満花押) 下 佐々木出羽守氏秀 可令早領知近江国高嶋 朽木庄内…

足利義詮御判御教書(『朽木家古文書』、国立公文書館)

古文書入門です。国立公文書館所蔵の「朽木家古文書」の写真版を教材に古文書の読み方を勉強しています。 www.digital.archives.go.jp 本日は足利義詮御判御教書です。 足利義詮御判御教書 国立公文書館蔵 では早速釈文と読み下しから行きましょう。 ますは…

足利尊氏袖判下文(『朽木家古文書』国立公文書館)

今週は改元便乗企画のため、古文書入門を水曜日に変更しています。来週は通常通り月曜日が古文書入門になります。 朽木家古文書から20号文書の「足利尊氏袖判下文」です。 では写真を見てみましょう。 足利尊氏袖判下文 国立公文書館所蔵 www.digital.arch…

足利直義御判御教書(『朽木家古文書』国立公文書館)

今日は「足利直義御判御教書」を読んでいきます。 www.digital.archives.go.jp 足利直義御判御教書 まずは何を置いても釈文から行きましょう。 越前国金崎凶徒退治事、所差 遣尾張左近大夫将監也依之佐々木 五郎并浅井・伊香・坂田郡地頭御 家人等同令発向畢…

足利義満袖判裁許状(『朽木家古文書』国立公文書館)

前号の文書の判決を覆す内容です。 ここからダウンロードしてみていただけるとわかりやすいかもしれません。 www.digital.archives.go.jp 足利義満袖判裁許状 つべこべ言わずに釈文を出します。 (花押)佐々木出羽守氏秀与称弥陀院雑掌相論、近江国高嶋本庄…

足利直義裁許状(『朽木家古文書』国立公文書館)

『朽木家古文書』より足利直義裁許状です。 www.digital.archives.go.jp 早速文書の写真を。 足利直義裁許状(国立公文書館蔵) 文書が大きいので小さくなっています。ダウンロードして拡大してください。 まずは釈文です。 佐々木四郎右衛門尉行綱女子尼心…

後円融天皇口宣案(『朽木家古文書』国立公文書館)

古文書の日がやってきました。 引き続き国立公文書館所蔵の『朽木家古文書』からです。 www.digital.archives.go.jp 後円融天皇口宣案 まずは釈文です。 上卿 洞院中納言 永和二年正月廿二日 宣旨 従五位下源氏秀 宜任出羽守 蔵人頭右近衛権中将藤原隆廣奉 …

光厳天皇綸旨(『朽木家古文書』国立公文書館所蔵)

古文書入門です。 『朽木家古文書』二号文書の「光厳天皇綸旨」です。難しいところがありますので、とりあえず読めるところだけでも読むことをお勧めします。前二行は読みやすいです。途中から急に字が崩れてきます。 とりあえず釈文です。上の文書と照らし…

『戦国古文書入門』刊行のお知らせ

渡邊大門編『戦国古文書入門』(東京堂出版)が本日刊行されました。 www.tokyodoshuppan.com 戦国古文書入門 私は伊達政宗・長宗我部元親・上杉謙信を担当しています。下の画像は私もプレイしている戦国IXAの画像です。(Copyright © 2010-2019 SQUARE ENIX…

後醍醐天皇綸旨(『朽木家古文書』(国立公文書館所蔵)所収)

月曜日は古文書の解説です。 第一回は後醍醐天皇綸旨です。確か「古文書入門」というカテゴリーで後醍醐天皇綸旨(『東寺百合文書』)をやっていた記憶はあるのですが、それは忘却の彼方、ということで気にせず新しいシリーズとして始めます。 一回で1つの文…

後花園天皇宸翰消と足利義教自筆御内書2

前回見てきました後花園天皇宸翰消息および足利義教自筆御教書(熱田神宮宝物館所蔵)の解説です。 前回のエントリはこちらになります。 sengokukomonjo.hatenablog.com これについては『看聞日記』永享五年十二月十二日条にいろいろ書いてあります。 十二日…

『戦国古文書入門』(東京堂出版、2019年)の執筆の裏話

渡邊大門編『戦国古文書入門』執筆者の一人の秦野です。 www.tokyodoshuppan.com 戦国古文書入門 私以外の執筆者のお名前も知ることができました。みなさま、その界隈の一流の方ばかりで、私などがそこに混ざっているのはおこがましい限りです。 私は実はく…

後花園天皇宸翰消息と足利義教自筆御内書

熱田神宮所蔵の後花園天皇宸翰消息と足利義教自筆御内書を見に行ってきました! その感想について述べてみます! 現物の写真は下記のサイトで見ることができます。 www.atsutajingu.or.jp まずは後花園天皇宸翰消息から見ていきます。画像はリンク先をご覧く…

『戦国古文書入門』(東京堂出版、2019年)出版のお知らせ

東京堂出版の「これから出る本」に以下のお知らせが出ています。 www.tokyodoshuppan.com この書籍には私も些少ながら関わらせていただいております。 出来ればご近所の行きつけの書店で購入くださると地域の書店の振興にもつながりますし、他にも色々余慶が…

後花園天皇をめぐる人々−敷政門院庭田幸子

後花園天皇の実母です。 この時代の女性の名前についてまずお話しします。 我々は源頼朝の妻の北条政子や足利義政の妻の日野富子の例を見て、日本で夫婦同姓が全く伝統ではないことを知っています。 ただこれは少し注意を要します。 頼朝が知らない政子とい…

天皇、綸旨を取り消されたってよ5

荒れ果てた神泉苑。そこに現れた唐橋在綱の家人たち。 「ここの土地は俺たちが天皇様から拝領したんだ、ヒャッハー!!!!」 神泉苑を管理していた長福寺とその管理者である東寺が訴え出た。 「あいつら、嘘ついて天皇様の綸旨をもらってやりたい放題です」…

天皇、綸旨を取り消されたってよ4

綸旨を取り消されるということはよくあるのでしょうか。不勉強なんでその辺はわかりませんが、御成敗式目にも「掠め給わる」という言葉が出てきますので、昔からお上を騙して不正に補助金やらを「掠め給わる」悪党はいたんでしょう。この場合補助金を出した…

後花園天皇、綸旨を取り消されたってよ3

唐橋在綱「今、金がなくって困ってんすよ〜。収入、なんとかなりませんかね」 後花園天皇「よっしゃ、ワイの持っとる土地で荒野になってしもたのがあるから、それやるわ。それをなんとかしろや。おい、(庭田)雅行、(鷲尾)隆頼、綸旨出したれ」 庭田雅行…

後花園天皇、綸旨を取り消される2

後花園天皇が綸旨を取り消される、という事件について取り上げています。 次にあげる「室町幕府奉行人連署奉書」であっさり取り消されています。 hyakugo.kyoto.jp 翻刻から。 神泉苑境内事、号荒野菅二位 在綱卿家雑掌猥被掠給綸旨云々、 於彼地近遍者、有…

後花園天皇、綸旨を取り消される

「綸言、汗の如し」という言葉があります。綸言とは天皇の言葉、汗の如し、というのは汗のように一旦出たら取り消したり訂正したりできないもの、という意味です。 為政者が自分の言った言葉を簡単に翻して、全く恥じなければ、為政者の言葉に重みがなくなり…

後花園天皇宸筆女房奉書

女房奉書について、少し見ていきたいと思います。 題名がそもそもおかしいですね。「奉書」なのに「宸筆」。つまり「奉書」とは主君の意を奉って祐筆が書く書状のはずです。天皇の意を奉じるのであれば「天皇様はこのように仰せである。そこで私が天皇様の意…