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室町・戦国時代の歴史・古文書講座

歴史学研究者、古文書講師の秦野裕介がお届けする室町・戦国時代の知識です。

織田信長朱印状を読む2

まずは現物を。

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国立公文書館所蔵『朽木家古文書』より織田信長朱印状です。

 

印判状とも呼ばれます。印判すなわち印章すなわちハンコを捺したことからこの名があります。ハンコ、もとい印判には朱印と黒印などがあります。花押の代わりに印判を捺してあるのがそれですが、とりあえず印判を捺してあるのを印判状と言っているので、非常に様々な形式があります。

 

この朱印状の特徴は、直状形式、「〇〇状如件」という書止文言、上から目線など、御内書に似ています。違いは、と言えば、花押ではなく朱印であることと、紙の形ですね。細長いです。

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上の『朽木家古文書』の足利義晴御内書と比べるとよくわかります。「内閣文庫」の印(これはいうまでもないことですが、内閣文庫に収蔵される際に捺したものです)で大きさの感じがわかると思いますが、縦がものすごく狭いです。

 

御内書の方は「竪紙」というのは「奉行人連署奉書」のところで説明しました。信長朱印状は、竪紙を横長に切ったものです。切紙と言います。

 

印判状のバリエーションについては、ここで続きをやると面倒臭くなったので、大変短いですが今日はこれで。