後花園天皇、綸旨を取り消されたってよ3
唐橋在綱「今、金がなくって困ってんすよ〜。収入、なんとかなりませんかね」
後花園天皇「よっしゃ、ワイの持っとる土地で荒野になってしもたのがあるから、それやるわ。それをなんとかしろや。おい、(庭田)雅行、(鷲尾)隆頼、綸旨出したれ」
庭田雅行鷲尾隆頼「へい。わかりやした」
東寺にて。
長福寺からの使者「大変っす!神泉苑が唐橋家の連中に占拠されています!」
東寺「な・に!?」
長福寺「あいつら、綸旨を持ってます」
東寺「な・ん・や・て!?」
長福寺「祈祷のための池は外したから、あとは天皇から拝領した、と言っています!」
東寺「こら、まずい。誰か頼りになる人おれへんかな〜」
色々あって、前権中納言従二位坊城俊秀に頼むことに。
東寺「坊城様、神泉苑がお内裏様によって唐橋家のものになってしまいました。なんとかなりませんか」
坊城俊秀「綸旨か〜。昔書かされたことがあったなあ。なついわ〜」(
嘉吉の乱の治罰綸旨の起草案を完全に書き換える後花園天皇 - 室町・戦国時代の歴史・古文書講座参照)
東寺「綸旨をつぶすにはどうすればいいんですか?」
俊秀「せやな、要するに唐橋はんは、神泉苑は東寺の管理がグダグダで、ゴミ捨て場になってて、これは東寺が管理してへん以上は東寺のものではないから、天皇から拝領した、いうたはるわけやろ?そやから、池も含めて東寺のものでも天皇のものでもない、いえばええんちゃうやろか?」
東寺「???」
俊秀「つまりやな、池も含めてあそこは東寺のもんやのうて、龍神のもんや、と言ってしまえばええねん」
東寺「なるほど、そうすりゃ池やないところは東寺のもんやないから、天皇の好きにできる、という理屈もつぶせますな」
(以上、東島誠「隔壁の誕生」『公共圏の歴史的創造』東大出版会、2000年、pp177〜179、を元に構成)
あと一回続きます。