第一回オンライン講座を終えて
第一回のオンライン歴史講座を終えました。
ご参加くださったみなさま、ありがとうございました。
内容は観応の擾乱を取り上げましたが、高校の教科書レベルでは他の講座との差異化ができないので、網羅的に取り上げるのではなく、二つのトピックにまとめて話を行いました。
まず一つ目は二頭政治に関わる議論です。佐藤進一先生が「室町幕府開創期の官制体系」で展開した「主従制的支配権」と「統治権的支配権」の分立とその破綻という議論から、最近の代表的な研究である亀田俊和先生の『観応の擾乱』を取り上げながら二頭政治の動きをみていきました。
観応の擾乱 - 室町幕府を二つに裂いた足利尊氏・直義兄弟の戦い (中公新書)
もう一つは私の個人的な関心から、正平の一統を取り上げました。室町幕府にとってはハッピーエンドだった観応の擾乱ですが、北朝の、特に崇光皇統にとっては苦難の始まりであり、花園皇統にとっては全てが終わった事件であった、とも言えましょう。
何よりも今回新鮮だったのはzoomの威力です。
zoomはオンラインで使えるテレビ電話のようなものですが、何よりも無料で始められる。自分で会議室を運用する場合は無料だと40分までという制限がありますが、課金すれば無制限になりますし、会議室に参加するのであれば全く無料です。私も主催者の松本恵司先生の会議室で行わせていただいているので無料でできています。ましてや参加する場合はフリーのzoomアプリを使うだけで簡単に参加できます。
入手先は下記の通りです。
zoomをインストールしたら、
ticket.asanojinnya.comここにアクセスして、青い場所の「https://zoom.us/j/xxxxxxxx」（xxxxxxは数字）をクリックすればzoomの始まりです。
カメラとマイクとネットに繋がる環境（ADSLは不可のようです）があればできます。ということは、スマホがあれば繋がれるわけです。私はiPadで行なっています。
これを使ってオンライン上で様々な「場」を作り出すことができます。各自が好きな飲み物を持ち寄り、ワイワイ喋るのもありです。
今回のオンライン歴史講座も各自好きなものを持ち寄ってワイワイ楽しくしゃべりながら講座を進めていくことができました。
極端な話、私の講座を酒を飲みながら、つまみを食べながら、寝床に寝転びながら（顔出しをしない設定を選ぶことができます）、聞き、思いついたことを質問すればいいのです。家でくつろぎながらテレビを見て、話している歴史学者にツッコミを入れれば、リアルタイムで帰ってくる、と考えれば非常に面白い試みだと思います。
思ったよりもガヤガヤ感が出て、大変面白そうな展開が待っているような気がします。
