洛西用水
東寺百合文書でも有名な文書の一つ、ツ函341号文書です。
ここで詳しく紹介されています。今回はこれについて話してみました。
これは何回か話している題材ですが、いつもうまくこの文書の面白さを伝えることが十全にできずに苦戦しています。まだまだ改良の余地があります。
洛西用水は桂川の水を川の西に広がる水田に導く疎水です。嵐山の渡月橋にある井堰から取り入れられた水は二本の水路を流れ、再び桂川に戻ります。6世紀、秦氏がこの地を開拓した頃に起源をもち、現在まで農業用水として機能してきました。中世、この地には多くの荘園があり、洛西用水の水利をめぐって争いが東寺百合文書に記録されています。琵琶湖疎水が観光化しているのに対し、洛西用水は実用一点張りのため訪れる人は限られています。中世の文書をもとに、秦野裕介先生が洛西用水の水利をめぐる荘園住民の争いを解説します。