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室町・戦国時代の歴史・古文書講座

歴史学研究者、古文書講師の秦野裕介がお届けする室町・戦国時代の知識です。

オンライン講座

平治の乱における源氏と平氏の関係

7月11日(木)のオンライン日本史講座のお知らせです。 ticket.asanojinnya.com 今回は平治の乱を取り上げます。 平治の乱といえば、教科書的理解では平氏と信西の連合に対して不満を持った藤原信頼と源義朝が連携して平清盛の留守中に後白河上皇の御所を襲…

保元の乱のその後

保元の乱はつまるところ後白河派も崇徳派ももともとは差がなく、どちらも権威を欠如させた存在であったことが武力の発動という前代未聞の結果となりました。当然ながらその結末も悲惨なものになります。 崇徳の流罪については前回述べました。太上天皇の座に…

足利義藤御内書(『朽木家古文書』99 国立公文書館)

足利義藤御内書です。義藤とは聞きなれない名前ですが、足利義輝の初名です。言わずと知れた剣豪将軍です。 足利義藤御内書 国立公文書館 年号のない日付の下に花押が押されており、御内書であることがわかります。 釈文です。 今度不慮題目出来 至當谷被移…

崇徳上皇

一言で言えば悲運の人です。 崇徳院 天子摂関御影 歌人として知られており、百人一首では77番の歌です。 瀬をはやみ 岩にせかるる 滝川の われても末に 逢はむとぞ思ふ 鳥羽天皇の長子として待賢門院藤原璋子との間に産まれ、諱を顕仁といいます。曽祖父白…

稀代の寝業師藤原忠通

寝業師という言葉があります。私は故根本陸夫氏を思いつきます。裏工作が得意な人ということですが、根本氏も緻密な情報網を駆使して大胆なトレードを仕掛けたり、有力なアマチュアを裏技的な手法で入団させたりして西武やダイエー・ソフトバンクを強豪球団…

藤原頼長という人物

藤原頼長。この人ほど個性的な人物はいるだろうか、というほどの人物です。この人の個性の前には全て霞んでしまうほどの個性です。 藤原頼長 『天子摂関御影』 彼は藤原忠実の次男で兄の忠通よりも24歳年少でした。彼については故棚橋光男氏の『後白河法皇…

保元の乱3−戦争の日本史

保元の乱の主役は鳥羽・崇徳・後白河・藤原忠実・忠通・頼長であることは論を俟ちませんが、もう一つは伊勢平氏の平清盛と河内源氏の源義朝でしょう。特に義朝はこの戦いでその地位を飛躍的に向上させ、清盛に次ぐ軍事貴族の地位を手に入れます。 伊勢平氏は…

保元の乱の過程2−戦争の日本史

時はいいころ(1156)保元の乱 武者の世のはじまりと言われる保元の乱ですが、『保元物語』に基づく保元の乱のイメージが強く存在しています。それに対して『愚管抄』を通じてみると少し異なるイメージが出てきます。 『愚管抄』は藤原忠通の息子の慈円…

保元の乱の過程−戦争の日本史

保元の乱は小学校でも習う有名な戦乱です。だいたい平治の乱とワンセットで習います。「時はいいころ(1156)保元の乱」という語呂合わせを覚えさせられた方も多いかと思います。 保元の乱に関しては「貴族の争いに武士が動員され、武士の世の中になって…

最凶のヒャッハー源義親

今日のオンライン日本史講座のまとめです。 源義親は源義家の嫡子です。対馬守だった時に九州を横行し、略奪を働いています。時に1101年のことです。大宰大弐大江匡房からの訴えで義親は隠岐国に流罪となりますが、出雲国に渡り、そこで反乱を続けたため…

清和源氏の行く末ー戦争の日本史

軍事貴族としてもっとも有名なのが清和源氏であることは論を俟たないでしょう。その中でも我々が「源氏」といった場合、念頭に置いているのが河内源氏です。 ticket.asanojinnya.com 清和天皇の孫の経基王が源の姓を賜って臣籍降下し、武蔵守として赴任し、…

奥州藤原氏ー戦争の日本史

奥州藤原氏とはどういう人々だったのでしょうか。 奥州藤原氏は一体全体どういう家なのか、というのは私も北方史に足を踏み入れるまではよく理解できていませんでした。ややこしい。 そもそも清原清衡が藤原清衡に名前を変える意味が分からなかった。あのへ…

源義家ー名将か凡将か

源義家といえば前九年の役、後三年の役で活躍した名将の中の名将というイメージです。 しかし後三年の役の彼の動きを見ていると父の源頼義に比べると拙劣というか、下手くそというイメージがあって、河内源氏が急速に没落していく大きな原因ではないか、と思…

前九年の役・後三年の役の前提−戦争の日本史

昨日のオンライン日本史講座のご報告です。 予定では前九年の役と後三年の役の詳しい話をするはずだったのですが、その前提である「武士の誕生」と「北アジアの変動の中のエミシ社会」に時間を取られて源頼義の人生までいけませんでした。なので次回は源頼義…

源頼義ー武門源氏の雄飛の基礎を作った名将

オンライン日本史講座のお知らせです。 ticket.asanojinnya.com 源頼義と源義家といえば、義家は「八幡太郎義家」として英雄、頼義はその親父という感じでなんとなく脇役感が強いです。子どもの頃、『八幡太郎義家』という名前の伝記を古本で入手したことが…

前九年の役と後三年の役予告2ー武士団の形成

武士団の形成です。 6月13日(木)午後8時30分からのオンライン日本史講座の予告編2です。 ticket.asanojinnya.com 太秦の映画村に行った時、目の前を小学生が「武士って何〜?」と叫びながら走って行きました。私は思わず「まあ座れ。今から一時間半武…

前九年の役と後三年の役

6月13日(木)午後8時30分からのオンライン日本史講座のお知らせです。 ticket.asanojinnya.com 前九年の役・後三年の役です。 前九年の役を取り上げる場合、二つの視点があります。一つはエミシ社会のその後です。北緯40度ラインで一旦おさまった情勢…

坂上田村麻呂とアテルイ報告と世界史的概念としての「古代」「中世」を考える

昨日のオンライン日本史講座のご報告です。 www.youtube.com ここでは予告編から脱線した話をまとめています。 エミシとの戦いは基本的に遷都事業とセットになって行われています。平城京遷都の時に征夷事業が開始され、平安京遷都も征夷事業とは切り離せま…

坂上田村麻呂の戦いーオンライン日本史講座「戦争の日本史」2

追記:関根達人先生のご指摘に従い、38度線と40度線に訂正いたします。 6月6日(木)午後8時30分からのオンライン日本史講座「坂上田村麻呂とアテルイ」の予告です。 ticket.asanojinnya.com 774年、エミシによる上京朝貢の中止と、海道エミシによ…

エミシ対日本ーオンライン日本史講座「戦争の歴史」2

6月6日(木)午後8時30分からのオンライン日本史講座の予告編、「エミシ対日本」です。 ticket.asanojinnya.com https://zoom.us/j/481363987 律令制による国郡制が施行されている場所が8世紀に入ると北上を始めます。708年、元明天皇の時代に越後国…

坂上田村麻呂の前提ーオンライン日本史講座「戦争の日本史」2

清水寺に行くと、やはり目を引くのは「清水の舞台」と呼ばれる本堂です。 坂上田村麻呂ゆかりのこの寺のハイライト「清水の舞台」に向き合うようにアテルイ・モレの碑が立っています。 アテルイとは平安京遷都当時にその勇名を轟かせたエミシの英雄です。ア…

白村江の戦いーオンライン日本史講座報告

今回の白村江の戦いですが、斉明天皇について少し述べておきたいと思います。 www.youtube.com 斉明天皇、第35代、37代天皇です。史上初めて生前退位した天皇であり、史上初めて復位(重祚といいます)した天皇でもあります。この経歴だけでも只者ではな…

大化の改新ーオンライン日本史講座「白村江の戦い」予告3

大化の改新は難しいです。 5月30日(木)午後8時30分からのオンライン日本史講座「白村江の戦い」のお知らせです。 ticket.asanojinnya.com 受験対策(一応中学受験国語・社会の受験指導を本職としています)ではここは一瞬で終わります。 蘇我氏の専横→…

ヤマトと百済の関係ーオンライン日本史講座「白村江の戦い」予告2

5月30日午後8時30分からの「白村江の戦い」の予告編2です。この辺は専門外なので間違っている可能性も高く、いつでも訂正する気満々です。いろいろ読んでみてもいろいろな人がいろいろなことをおっしゃっているので、どれを採用していいかわからない…

白村江の戦いーオンライン日本史講座「戦争の歴史」1

5月30日(木)午後8時30分からの新しい「オンライン日本史講座」のお知らせです。 下記の5月30日のリンクです。ただこの部分はどこのリンクからでもいけます。 ticket.asanojinnya.com 直接つながるにはこちらです。 https://zoom.us/j/481363987 Zoo…

オンライン日本史講座5月第3回「江戸後期の天皇」報告

「中世・近世の皇位継承」最終回となる「江戸後期の天皇」です www.youtube.com 光格天皇・仁孝天皇・孝明天皇です。 実際には天皇の話はそっちのけで箱館奉行とか、クナシリの話とか、そっちの方に行ってしまいました。 開国から日米通商条約を経て幕末維新…

オンライン日本史講座5月第3回「江戸後期の天皇」予告3尊皇攘夷思想の前提

5月23日(木)午後8時30分からのオンライン日本史講座の予告編です。 今週は光格天皇を取り上げます。光格天皇は傍系の閑院宮家から皇位を継承した天皇という意味では後花園天皇と共通するところがあります。ただ後花園天皇が父親に太上天皇号宣下を行う…

オンライン日本史講座5月第3回「江戸後期の天皇」予告2尊号一件

とかく影の薄い江戸時代の天皇の中でも孝明天皇は幕末維新という時代の関係で露出が高い天皇ですが、光格天皇も非常に目立つ天皇です。特に上皇の生前退位という話題で上皇以前に退位したのが光格天皇であったことが光格天皇に注目を集める大きな理由になっ…

オンライン日本史講座5月第3回「江戸後期の天皇」予告1光格天皇登場

後桃園天皇の急死により皇位継承者がいなくなりました。 皇位継承者がいなくなって慌てるのは意外と多いということが、天皇の歴史を追いかけているとわかります。 武烈天皇から継体天皇、称徳天皇から光仁天皇、四条天皇から後嵯峨天皇、称光天皇から後花園…

オンライン日本史講座5月第3回「江戸中期の天皇」報告

無事終了いたしました。 www.youtube.com 中御門天皇・桜町天皇・桃園天皇・後桜町天皇・後桃園天皇という、あまり知られていない天皇ばかりですが、それだけに掘り下げる価値もあるかと思います。 尊王思想というのが勃興してくるのもこの天皇の時代です。…