室町幕府奉行人連署奉書の解説1
私の独断と偏見で、御判御教書と並び、室町時代を代表する2大文書と決定した室町幕府奉行人連署奉書を見ていきます。奉行人奉書というのもあって、こっちの方がメタなんですが、奉行人奉書で東寺百合文書WEBを検索すると、本当に奉行人が一人で署名しているものしか出てこないので、一応多数派の奉行人連署奉書に絞ります。
これにもいくつかのバリエーションがあって、大きく分けると、竪紙奉書と折紙奉書になります。
上が竪紙奉書、下が折紙奉書となります。それぞれの解説は明日以降にします。
これらもすべて京都府立京都学・歴彩館所蔵、『東寺百合文書』です。
ニ函/49/:室町幕府奉行人連署奉書|文書詳細|東寺百合文書
ニ函/44/6/:室町幕府奉行人連署奉書|文書詳細|東寺百合文書
ざっくり違いを述べますと、上のように紙を折らずに一枚全部使ったものを「竪紙」といい、下のように半分に折って、上半分を使うものを「折紙」といいます。ちなみに折紙の場合、上半分が一杯になった場合、下半分に書きますが、これは真ん中の線で山折りになってますので、次の下手くそな私のイラストのようになります。
あとは、竪紙は官途名乗(大和守とか)で年号も大きく書いてあります。これを書下し年号といいます。
折紙は実名(じつみょう、常進とか)で、年号も小さく側に付けてあります。これを付年号(つけねんごう)と言います。
竪紙が厚礼で折紙が薄礼です。わかりやすくいいますと、竪紙は偉いさんに出して、折紙は偉くない人に出します。
次回は、そもそも「奉書」ってなんだ?ということについて説明します。