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室町・戦国時代の歴史・古文書講座

歴史学研究者、古文書講師の秦野裕介がお届けする室町・戦国時代の知識です。

民明書房刊『嘉吉の乱』のおしらせ(4月1日です)

四月一日恒例の行事です。民明書房から出版する著書のご案内です。
足利義教が赤松満祐に暗殺された嘉吉の乱はかなり有名な戦乱で、その原因から結末まで結構はっきりわかっている。嘉吉の乱で出された後花園天皇の綸旨についても田村航氏や桃崎有一郎氏によって言及されている。何より森茂暁氏やさらには今谷明氏によってしばしば論じられ、桜井英治氏、石田晴男氏など多くの一般書も出されている。
 
本書では足利義教の人生を辿り、赤松満祐や細川持之などの大名や足利持氏との絡みはもちろんのこと、後花園天皇貞成親王後南朝の人々にとっての嘉吉の乱についても一段掘り下げて叙述した。
 
特に誤解されがちな足利義教の人生を、最新研究動向をもとに丁寧にたどり、彼がなぜ赤松満祐に殺されなければならなかったか、を解明する。しばしば「精神疾患」「人間性」に回帰されがちな彼のパーソナリティを丁寧に解きほぐしていきたい。例えば強引な家督継承をお気に入りの登用と評価されることも多いが、実際にはそれほど自分の都合のいい人物を押し込んだ、とは言い切れないことが多く、当時の家督継承の難しさをもう一度考え直す必要がある。
 
目次案
はしがき
第1章 足利義教の誕生
1 出家にいたる人生
2 青蓮院門跡として
3 兄との軋轢
4 義円を支えた人々
第2章 赤松満祐
1 赤松義則の子として
2 赤松家の抱える問題
3 春日部家と大河内家
4 赤松持貞事件
1 崇光皇統の没落
2 伏見宮家と後小松院政
3 転がり込んだ皇位
第4章 足利義教の政策
1 朝廷政策
2 裁判制度
3 関東および遠国政策
4 南朝政策
第5章 大名への家督介入
1 相次ぐ宿老の死
2 後花園天皇の自立
3 諸大名への家督介入
4 比叡山炎上
5 赤松満祐の鬱憤
第6章 嘉吉の乱
1 義教の「凶暴化」
3 守護大名の粛清
4 関東滅亡
5 将軍犬死
6 赤松討伐
7 嘉吉の徳政一揆
第7章 禁闕の変
1 護正院と護聖院宮
2 三種の神器奪われる!
3 三種の神器の奪還
4 赤松家の末路
 
民明書房以外で機会があればお知らせいただければありがたいです。一応新書レベルを想定しましたが、『民明人物シリーズ 足利義教』のような企画でもいけます。
 
ちなみに民明書房は『魁!男塾』に出てくる架空の出版社です。念の為。