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室町・戦国時代の歴史・古文書講座

歴史学研究者、古文書講師の秦野裕介がお届けする室町・戦国時代の知識です。

後花園天皇ノート

後花園天皇に献上された『誡太子書』

永享六年三月二十四日には伏見宮貞成親王から『誡太子書』が献上されています。 sengokukomonjo.hatenablog.com 『誡太子書』は花園上皇が皇太子の量仁親王(後の光厳天皇)のために記した訓戒書です。現在宮内庁書陵部に存在するのはその草案で、伏見宮家か…

貞常親王宣下をめぐるトラブル

文安二年、ちょっとしたトラブルが起こります。後花園天皇の弟の伏見宮家の貞常親王の親王宣下を巡ってです。以下『師郷記』から。ちなみに『後花園天皇実録』ではこの話は載せられていません。天皇家のトラブルを載せるのは戦前ではまずかったのでしょう。 …

『満済准后日記』永享五年十月二十三日条現代語訳

廿三日、晴。出京せよと仰せなので目の不調を押して出京した。室町殿に参った。対面。いろいろ仰せの詳細である。 義教「旧院(後小松法皇)のことについては諒闇が当然であろう。旧院の遺勅の勅書を拝見したところ涙が出てきた(棒)。勅書の中身は、後光厳…

後花園天皇と貞成親王の絵のやりとり

後花園天皇の永享五年の動静を見ていて、非常に気になるのは、短期間のうちに絵を頻繁にやりとりしていることです。 六月十二日、後花園天皇から貞成親王に「弘法大師絵」十巻と「智証大師絵」五巻が送贈られ、二日後には返却されています。するとまた「太神…

『東北太平記』に登場する後花園天皇

2020年7月31日追記 拙著『乱世の天皇』(東京堂出版)発刊に伴い、拙著の関連エントリとして少し手を加えてご紹介します。 本書第八章「後花園天皇の時代の海域アジア」4「北アジア」の項目です。 www.tokyodoshuppan.com 『東北太平記』は江戸時代…

『東日流外三郡誌』に登場する後花園天皇

(追記)2020年7月31日更新しました。 拙著『乱世の天皇』第八章「後花園天皇の時代の海域アジア」の4「北アジア」の項目です。拙著では本筋ではないためにあっさりと記していますが、結構調べています。 www.tokyodoshuppan.com 世の中にはパチモン…

後花園天皇は鮭がお嫌いのようです

追記 この記事については論文にしています。『研究論集 歴史と文化』第4号、2019年6月刊です。図書館に入れるようにお願いしたら却下されましたので、図書館にはありません( ;∀;) 下記で入手できます。 historyandculture.jimdofree.com 後花園天皇…

烏丸資任について

烏丸資任(1417〜1483)という人物について、少し考えて見ました。 京都の人は「からすま すけとう」と読みたくなるかもしれませんが、人名としては「からすまる すけとう」と読むようです。「烏丸」を「からすまる」と読むのは京都人の何かが邪魔を…

卞孝文と畠山持国のやりとり秘録

実は先の史料は通信使卞孝文の国王世宗への報告です。卞にとって都合の悪いところはバッサリ切られています。36年後、随行員の一人であった李仁畦が世宗の孫の成宗の諮問に答えているシーンがあります。李の報告をもとに卞と畠山持国のやり取りを復元しま…

卞孝文と畠山持国のやりとり

足利義教のお悔やみと足利義勝のお祝いに来た卞孝文とそれを迎えた管領畠山持国のやりとりをいかに再現します。『朝鮮世宗実録』二十五年十月甲午(1443年10月4日)条です。これは卞が帰国後に国王の世宗に報告している内容です。したがってあくまで…

束帯姿の足利義勝と東アジア

京都の北区に等持院があります。行ったことがないよ、という方はぜひ一度行ってみてください。夢窓疎石の作庭にかかる庭があります。足利義政の茶室があります。足利尊氏の墓があります。そして霊光殿には足利歴代将軍の木像があります。江戸時代には高山彦…

嘉吉の乱の治罰綸旨の起草案を完全に書き換える後花園天皇

後花園天皇が嘉吉の乱で赤松満祐治罰綸旨を出したことは、ごくごく一部の歴史愛好者の間では有名です。 赤松満祐はいろいろあって足利義教を暗殺したわけです。ちなみに現場は二条城の向かい側、堀川通の東側です。そこから満祐は義教の首を持って、丹波口か…

『新撰長禄寛正記』における後花園天皇

『新撰長禄寛正記』は名前の通り、長禄・寛正年間(1457〜1466)までの畠山氏の内紛などを中心に幕府の動きを記録した史料です。文明年間には成立していたと考えられていますが(群書解題)、後花園天皇を「御花苑院」と書いているところを見ると、…

後花園天皇宸翰消息

後花園天皇の宸翰消息です。宸翰とは天皇の直筆のことです。後花園天皇の宸翰消息は散らし書きという特殊な書き方で書かれています。 しかし読みたい現物は宮内庁の所蔵で、国文研のサイトに載せられていますが、思いっきり「禁無断転載」とあります。こんな…