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室町・戦国時代の歴史・古文書講座

歴史学研究者、古文書講師の秦野裕介がお届けする室町・戦国時代の知識です。

『乱世の天皇』

生に執着した後花園天皇の最期

『鎌倉殿の13人』の最終回での北条義時の壮絶な最期が話題ですが、負けず劣らずの生への執着を見せたのが後花園法皇です。 文明二年(一四七〇)十二月二十六日、後花園法皇は中風で倒れます。 彼は投薬を指示しますが、もはや薬を服用することもできない容…

『乱世の天皇』の秦野裕介が嘉吉の乱を書くと

『乱世の天皇』の秦野裕介が嘉吉の乱を書くと というか、もう『乱世の天皇』の中に書いてあるし。何格好つけてんだ、というネタでしかありません。 これが『乱世の天皇』の秦野裕介が安倍晋三政権を総括する、とかだったら格好がつくのですが、肝心の中身が…

足利義教にまつわる誤解

足利義教の評伝をいつかどこかで書こうと決めましたが、まずはネタ作りです。 NHKの「知恵泉」という番組でそういえば足利義教が取り扱われていました。ググってみるとその番組の中身が分かりました。ただかなり違うんじゃないかな、と思わせるところがあり…

足利義教の評伝の構想

後花園天皇の評伝を書くと、次の課題は足利義教の評伝です。 言わずと知れた室町幕府六代将軍です。足利義満の子として生まれ、青蓮院門跡から延暦寺の天台座主を務めた高僧です。兄の足利義持の死去に伴い、くじ引きで将軍に選出され、将軍権力を強化しよう…

本の文字数はどれくらいの字数なのか

拙著『乱世の天皇』(東京堂出版)の話です。 www.tokyodoshuppan.com 著書はどれだけの文字数なのか、という話です。 作家であり、出版社経営をしていらっしゃる木暮太一氏の動画を見ていました。 https://www.youtube.com/watch?v=BBg25fZYipM 「10万字は…

拙著『乱世の天皇』見どころ10ー読み仮名再び

拙著『乱世の天皇』(東京堂出版)の見どころというか、苦労の跡です。 www.tokyodoshuppan.com 読み仮名にかなり力を入れている話をしていますが、僧侶の名前も悩みどころです。 例えば誰でも知っていると思いますが、源実朝を暗殺した「公暁」、もうこれは…

拙著『乱世の天皇』副読本4ー後小松天皇

拙著『乱世の天皇』を読むときに知っておくと役に立つ知識です。今回は後小松天皇を取り上げます。 後小松天皇については以下のエントリで取り上げたことがあります。 sengokukomonjo.hatenablog.com sengokukomonjo.hatenablog.com あまり有名な人物ではな…

拙著『乱世の天皇』副読本3ー後光厳天皇の子孫

本エントリは拙著『乱世の天皇』(東京堂出版)の副読本として、歴史に詳しくない方が拙著を読むときに、あった方がいい知識を記しています。 『乱世の天皇』–株式会社東京堂出版 今回は「後光厳皇統の人たち」というテーマですが、拙著では「皇統」という言…

拙著『乱世の天皇』副読本2ー観応の擾乱

本エントリは拙著『乱世の天皇』(東京堂出版)の副読本として、歴史に詳しくない方が拙著を読むときに、あった方がいい知識を記しています。 www.tokyodoshuppan.com こちらと同内容です。こちらのサイトは小中学校向けに社会の情報を発信しています。場合…

拙著『乱世の天皇』副読本1ー両統迭立

拙著『乱世の天皇』(東京堂出版)は一応東京堂出版という歴史・古文書を中心とした出版社から出ています。 www.tokyodoshuppan.com そのため、かなりコアな歴史ファン相手のため、全く歴史をご存じない人にとっては通読するのは少し骨が折れるかもしれませ…

拙著『乱世の天皇』見どころ9ー巻末の参考文献

ツイッターの相互フォローさんのツイートで嬉しいものがありました。拙著『乱世の天皇』(東京堂出版)巻末の参考文献欄にご注目くださっています。そこも私なりに一つのこだわりとなっています。 www.tokyodoshuppan.com なお拙著は現在全国の書店で好評か…

拙著『乱世の天皇』見どころ8ー天皇家の名前

拙著『乱世の天皇』の読み仮名の苦労を前エントリでしましたが、天皇家の諱(いみな)は結構苦労することが多いです。 茂仁(とよひと)=後堀河天皇 秀仁(みつひと)=四条天皇 豊仁(ゆたひと)=光明天皇 幹仁(もとひと)=後小松天皇 成仁(ふさひと)…

拙著『乱世の天皇』見どころ7ー読み仮名の苦労

これは「見どころ」というか、苦しむところなのですが、読み仮名の苦労です。 読み方が定まっている名前は簡単です。「足利義政」というのはそれなりに歴史に関心のある方であれば読み仮名は不要でしょう。しかしもちろん拙著を手に取られ、読んでいただく方…

拙著『乱世の天皇』見どころ6ー後花園天皇の晩年

後花園天皇(厳密には上皇、以後全て後花園天皇に統一する)の出家は帝王不徳の責めを感じて出家したのは事実ですが、それはいわゆる引責辞任というようなものではありません。後花園天皇は閉眼の直前まで、さらには死後もなお「戦い続けた天皇」でした。 拙…

拙著『乱世の天皇』発売開始!

拙著『乱世の天皇』(東京堂出版)が本日ネットショップで発売受付が開始されました。 www.tokyodoshuppan.com 目次です。 序章 天皇存続のキーパーソン後花園天皇第一部 分裂する天皇家 第一章 天皇家の分立 第二章 南北朝内乱 第三章 後小松院政の展開第二…

拙著『乱世の天皇』見どころ5ー津軽安藤氏は十三湊に還住していない

発売も近づいてきた拙著『乱世の天皇』(東京堂出版)ですが、いきなり津軽安藤氏が出てくることに戸惑う方も多いかもしれません。しかし拙ブログにて何回も述べてきたように、後花園天皇は東北・北海道史にもゆかりの深い天皇です。拙著の、他の後花園天皇…

拙著『乱世の天皇』の装丁が出来上がりました

拙著『乱世の天皇』(東京堂出版)の装丁が出来上がってきました。 東京堂出版様のサイトから見ることができます。 www.tokyodoshuppan.com ご担当くださったのがここの常松靖史様です。 tune09.sakura.ne.jp 実は私は出版の本をいくつか購読していまして、…

拙著『乱世の天皇』見どころ4ーアンチヒーロー

今日は何の日、後小松天皇の誕生日だそうです。 拙著として7月末に出版予定の『乱世の天皇』(東京堂出版)の見どころ紹介です。 乱世の天皇 観応の擾乱から応仁の乱まで 後小松天皇はどんな人でしょうか。詳しくは過去ログをご覧ください。 sengokukomonjo…

拙著『乱世の天皇』見どころ3ー室町時代のヒーロー

拙著『乱世の天皇』関連のネタです。室町時代のネオヒーロー(阪神タイガースのアンディ・シーツの応援歌)を提案しようと思っています。 乱世の天皇 観応の擾乱から応仁の乱まで 今谷明氏の『謎解き中世史』という本があります。 謎解き中世史 この中で永井…

拙著『乱世の天皇』見どころ2ー嘉吉の乱

考えてみれば今日、6月24日は嘉吉の乱の日でした。というわけで慌ててアップします。 乱世の天皇 観応の擾乱から応仁の乱まで 嘉吉の乱をざっくり説明しておくと、六代将軍足利義教が播磨・美作・備前守護職であった赤松満祐に暗殺された事件です。 足利…

拙著『乱世の天皇』見どころ1ー禁闕の変は後南朝復興運動ではない

拙著『乱世の天皇』見どころのご案内です。 乱世の天皇 観応の擾乱から応仁の乱まで 禁闕の変をご存知でしょうか。 こちらでアウトラインを紹介しています。 sengokukomonjo.hatenablog.com もっと手短にまとめますと、後南朝の皇胤である金蔵主と通蔵主、後…

拙著『乱世の天皇ー観応の擾乱から応仁の乱』(東京堂出版)刊行のお知らせ

拙著が発売されます。 乱世の天皇 観応の擾乱から応仁の乱まで 皇統の分裂を引き起こした後嵯峨上皇による後深草天皇から亀山天皇の譲位を皮切りに天皇家は自律性を失い、幕府を倒壊に追い込み、日本社会を動乱に巻き込みました。その余波は足利義満による統…

後花園天皇と同世代の人たち

今年(2019年)は後花園天皇の生誕600年です。ごく一部の後花園天皇ファン以外にはどうでも良い情報ですが、生誕600年です。 1419年生誕ということは、応永の外寇の年です。 彼らの同時代にどういう人がいるのか、ということを調べてみました…

『東北太平記』に登場する後花園天皇

2020年7月31日追記 拙著『乱世の天皇』(東京堂出版)発刊に伴い、拙著の関連エントリとして少し手を加えてご紹介します。 本書第八章「後花園天皇の時代の海域アジア」4「北アジア」の項目です。 www.tokyodoshuppan.com 『東北太平記』は江戸時代…

『東日流外三郡誌』に登場する後花園天皇

(追記)2020年7月31日更新しました。 拙著『乱世の天皇』第八章「後花園天皇の時代の海域アジア」の4「北アジア」の項目です。拙著では本筋ではないためにあっさりと記していますが、結構調べています。 www.tokyodoshuppan.com 世の中にはパチモン…

後花園天皇の生涯

2020年8月1日追記 初となる後花園天皇の評伝である拙著『乱世の天皇』(東京堂出版)のお知らせを記載しました。 www.tokyodoshuppan.com このブログのもう一つのコンテンツです。後花園天皇の生涯について見ていきます。 後花園天皇は今の数え方では…