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室町・戦国時代の歴史・古文書講座

歴史学研究者、古文書講師の秦野裕介がお届けする室町・戦国時代の知識です。

2019-05-01から1ヶ月間の記事一覧

坂上田村麻呂の前提ーオンライン日本史講座「戦争の日本史」2

清水寺に行くと、やはり目を引くのは「清水の舞台」と呼ばれる本堂です。 坂上田村麻呂ゆかりのこの寺のハイライト「清水の舞台」に向き合うようにアテルイ・モレの碑が立っています。 アテルイとは平安京遷都当時にその勇名を轟かせたエミシの英雄です。ア…

白村江の戦いーオンライン日本史講座報告

今回の白村江の戦いですが、斉明天皇について少し述べておきたいと思います。 www.youtube.com 斉明天皇、第35代、37代天皇です。史上初めて生前退位した天皇であり、史上初めて復位(重祚といいます)した天皇でもあります。この経歴だけでも只者ではな…

足利義教と後花園天皇のどちらが上だったのか

久しぶりの歴史雑記帳です。令和改元便乗企画である後花園天皇の改元が終わりましたので、平常運転で「後花園天皇ノート」をはじめとした「歴史雑記帳」をお送りいたします。 表題の「足利義教と後花園天皇のどちらが上だったのか」という問題ですが、一言で…

大化の改新ーオンライン日本史講座「白村江の戦い」予告3

大化の改新は難しいです。 5月30日(木)午後8時30分からのオンライン日本史講座「白村江の戦い」のお知らせです。 ticket.asanojinnya.com 受験対策(一応中学受験国語・社会の受験指導を本職としています)ではここは一瞬で終わります。 蘇我氏の専横→…

足利義晴御内書(『朽木家古文書』32 国立公文書館)

朽木家古文書三十二号文書「足利義晴御内書」です。 www.digital.archives.go.jp つべこべ言わずに現物を見てみましょう。 足利義晴御内書 年号がありません。これは御内書と呼ばれる古文書の特徴です。花押が日付の下(これを「日下」といいます)にありま…

ヤマトと百済の関係ーオンライン日本史講座「白村江の戦い」予告2

5月30日午後8時30分からの「白村江の戦い」の予告編2です。この辺は専門外なので間違っている可能性も高く、いつでも訂正する気満々です。いろいろ読んでみてもいろいろな人がいろいろなことをおっしゃっているので、どれを採用していいかわからない…

白村江の戦いーオンライン日本史講座「戦争の歴史」1

5月30日(木)午後8時30分からの新しい「オンライン日本史講座」のお知らせです。 下記の5月30日のリンクです。ただこの部分はどこのリンクからでもいけます。 ticket.asanojinnya.com 直接つながるにはこちらです。 https://zoom.us/j/481363987 Zoo…

オンライン日本史講座5月第3回「江戸後期の天皇」報告

「中世・近世の皇位継承」最終回となる「江戸後期の天皇」です www.youtube.com 光格天皇・仁孝天皇・孝明天皇です。 実際には天皇の話はそっちのけで箱館奉行とか、クナシリの話とか、そっちの方に行ってしまいました。 開国から日米通商条約を経て幕末維新…

昔の改元の時の候補とその出典を見てみよう8−長禄から寛正へ−

長禄四年(一四六〇年)十二月二十一日、改元が行われました。「大乗院日記目録」によれば「五穀不熟旱損蟲損飢饉」とあります。前回も触れた寛正の飢饉です。 寛正の飢饉については以下のエントリで述べた他、いくつかのエントリで触れています。 sengokuko…

オンライン日本史講座5月第3回「江戸後期の天皇」予告3尊皇攘夷思想の前提

5月23日(木)午後8時30分からのオンライン日本史講座の予告編です。 今週は光格天皇を取り上げます。光格天皇は傍系の閑院宮家から皇位を継承した天皇という意味では後花園天皇と共通するところがあります。ただ後花園天皇が父親に太上天皇号宣下を行う…

足利義昭袖御判御教書(『朽木家古文書』国立公文書館)

月曜日恒例の古文書入門です。 本日は足利義昭袖御判御教書です。 www.digital.archives.go.jp 足利義昭袖御判御教書 国立公文書館 釈文です。 ⬜︎⬜︎(近江)国高嶋郡名字地 ⬜︎⬜︎(等知)行分所々事、如祖父 ⬜︎⬜︎(信濃カ)守稙綱時、朽木弥五郎 ⬜︎⬜︎(元綱)…

相生歴史研究会古文書講座の講師をZoomを使って務めました!

今、講師業やコンサルタント業、コーチ業など、いわゆる「先生業」と言われる業種で注目されているのがZoomです。 以前にも触れましたが、オンラインでつながれたテレビ会議です。同様のシステムにSkypeがあります。 Zoomを使ってオンライン講座を開いており…

第18回京都学セミナーが無事終了しました!

京都歴史回廊協議会主催の第18回京都楽セミナー「後花園天皇と嘉吉の乱・応仁の乱」本日無事終了いたしました。 京都学セミナー会場準備中 後花園天皇が数多くの戦乱に関わる中で自らのプレゼンスを高めていく過程についてお話ししましたが、その中で自分…

オンライン日本史講座5月第3回「江戸後期の天皇」予告2尊号一件

とかく影の薄い江戸時代の天皇の中でも孝明天皇は幕末維新という時代の関係で露出が高い天皇ですが、光格天皇も非常に目立つ天皇です。特に上皇の生前退位という話題で上皇以前に退位したのが光格天皇であったことが光格天皇に注目を集める大きな理由になっ…

昔の改元の時の候補とその出典を見てみよう7−康正から長禄へ−

令和改元便乗企画です。後花園天皇の代における改元の候補とその出典を出します。 本来この日は「後花園天皇の生涯」の後継企画をしなければならないのですが、まだ用意できないのと、前回この改元便乗企画を飛ばしてしまったので本日アップします。 今回は…

オンライン日本史講座5月第3回「江戸後期の天皇」予告1光格天皇登場

後桃園天皇の急死により皇位継承者がいなくなりました。 皇位継承者がいなくなって慌てるのは意外と多いということが、天皇の歴史を追いかけているとわかります。 武烈天皇から継体天皇、称徳天皇から光仁天皇、四条天皇から後嵯峨天皇、称光天皇から後花園…

オンライン日本史講座5月第3回「江戸中期の天皇」報告

無事終了いたしました。 www.youtube.com 中御門天皇・桜町天皇・桃園天皇・後桜町天皇・後桃園天皇という、あまり知られていない天皇ばかりですが、それだけに掘り下げる価値もあるかと思います。 尊王思想というのが勃興してくるのもこの天皇の時代です。…

オンライン日本史講座5月第3回「江戸中期の天皇」3−尊王思想の勃興

十九世紀に入ると尊王思想が本格的に台頭してきます。しばしば尊王思想といえば幕末の急速な台頭というイメージがありますが、寛政年間には大政委任論が出され、天皇を幕府の権威を高めるものとしてであれ、天皇の権威を向上させる考えが出されています。 さ…

足利義稙袖御判御教書(『朽木家古文書』国立公文書館)

本日は国立公文書館所蔵『朽木家古文書』28号文書の足利義稙袖御判御教書です。 ここのところ御判御教書はずっと見ていますので見飽きている方も多いでしょうが、お付き合いいただけると幸甚です。 足利義稙袖御判御教書(国立公文書館所蔵) とりあえず釈…

オンライン日本史講座5月第3回「江戸中期の天皇」2

5月16日(木)のオンライン日本史講座です。 ticket.asanojinnya.com 大嘗会という儀式があります。現在は大嘗祭と呼ばれます。本来前近代のこの儀式は大嘗会というべきですが、このエントリでは大嘗祭に統一します。一言で言えば天皇が神に神饌を捧げ、天…

オンライン日本史講座5月第3回「江戸中期の天皇」

5月16日(木)午後8時30分からの「近世中期の天皇」です。 この辺は私の専門からは離れているので、その多くを次の著作に依拠しています。 天皇の歴史6 江戸時代の天皇 (講談社学術文庫) 今回は中御門天皇を見ていきます。 中御門天皇の特徴は大嘗会を…

オンライン日本史講座5月第2回「江戸時代初期の天皇」報告

オンライン日本史講座「江戸時代初期の天皇」は無事に終了いたしました。 www.youtube.com 今回も後陽成天皇に引き続き、キレキレの後水尾天皇、後光明天皇、後西天皇、霊元天皇を取り上げました。この中でマトモだと言えるのは皮肉にも中継ぎで登極した後西…

昔の改元の時の候補とその出典を見てみよう6−享徳から康正へ−

令和改元便乗企画です。 今回は享徳から康正への改元です。「兵革」ということです。 享徳の乱がやはり大きいでしょう。足利成氏が対立していた上杉憲忠を暗殺し、享徳の乱が勃発します。 改元は七月二十五日です。 少納言侍従文章博士菅原為賢(五条) 大応…

オンライン日本史講座5月第2回「江戸時代初期の天皇」3

5月9日(木)午後8時30分〜のオンライン日本史講座のお知らせです。 連続講座「中世・近世の皇位継承」「江戸時代初期の天皇」です。 下のリンクでは5月16日となっていますが、5月9日です。 ticket.asanojinnya.com 今日は霊元天皇です。 霊元天皇は幼名を…

足利義政袖判御教書(『朽木家古文書』国立公文書館)

前回お休みをいただいた古文書講座です。 YouTubeでこれを配信することも考えてはいますが、かなり恥ずかしいので考え込んでいます。期待せずにお待ちください。 とりあえず写真です。 足利義政袖判御教書(国立公文書館蔵) 朽木家古文書26号文書です。 …

オンライン日本史講座5月第2回「江戸時代初期の天皇」2

オンライン日本史講座のお知らせです。 ちなみに後陽成天皇についての動画が少し苦戦しています。 ご興味があればご視聴ください。兵庫大学教授金子哲先生との掛け合いが割合面白いのではないかと思います。後陽成天皇自身も非常に興味深い人物で、私もどこ…

後花園天皇の生涯−文正二年正月一日〜文明二年十二月二十七日

文正二年 正月一日、拝礼 清贈二位宗賢卿記 十八日、後土御門天皇とともに室町第に御幸、畠山義就・畠山政長の戦い、この日、政長追討の院宣を義就に賜う 公卿補任、後法興院記、清贈二位宗賢卿記 二十日、室町第より還御 後法興院記(十九日・二十日・二十…

オンライン日本史講座5月第2回「江戸時代初期の天皇」1

昨日の動画がアップされています。 www.youtube.com 江戸時代には天皇は全く権力を失い、権威も徳川将軍家の下になってしまい、唯一の役割が徳川家の家長を征夷大将軍に任命するという、今でいうところの象徴天皇制に近いものになった、というのが多くの方々…

オンライン日本史講座5月第1回「天下人と天皇」の報告

オンライン日本史講座「連続講座 中世・近世の皇位継承:天下人と天皇」が無事終了しました。前回の動画は以下にアップされております。 www.youtube.com 「天下人と天皇」というテーマでしたが、ここでいう「天下人」はもちろん有名どころの織田信長・豊臣…

昔の改元の時の候補とその出典を見てみよう5−宝徳から享徳へ−

令和改元便乗企画です。 宝徳四年から享徳元年への改元です。 三合厄と赤斑瘡流行による、と『建内記』にはあります。三合厄は陰陽道による厄年で、大歳・太陰・客家の三神が合することを言うようです(『日本国語大辞典』)。赤斑瘡(あかもがさ)は麻疹(…