伊勢盛頼と今川家関係の揉め事2ーゆうきまさみ氏『新九郎、奔る!』第11集発売!
ゆうきまさみ氏『新九郎、奔る!』第11集が発売となりました。
すっかり新九郎にとってはいい兄貴分となった伊勢九郎盛頼の登場です。
以前盛頼と今川家雑掌のトラブルを記事にしました。
『政所賦銘引付(まんどころくばりめいひきつけ)』文明十年(一四七八)十月二十七日条に次の記事がありました。
伊勢掃部助盛頼 十 廿七(十月二十七日)
今川上総介の雑掌の妙音寺法音僧の借金九十貫文の事、法音が死去したので相続した弟子が返済するように下知した
この話が『新九郎、奔る!』11集に出てきます。
今川家の京都雑掌であった妙音寺の法音が今川義忠後室の北川殿(作中では伊都)のもとに金の無心にやってきます。この時法音は今川範満と氏親(作中では幼名の龍王丸)の天秤をかけ、伊都に資金援助を蹴られたため、範満サイドへの肩入れを決めます。
この時「小娘には恥をかかされた故 思いしらせてやらんとな」ということで蔭涼軒を通じて範満の言い分を押し通そうとします。政所で握りつぶすように要求する伊都と盛定ですが、貞宗は龍王に圧倒的に不利だと宣告、龍王サイドには打つ手が見られないところで盛頼の登場です。
「満を持して俺 登場だ!」「法音!貸した九十貫文、そろそろ返せぇ!」と金貸の登場です。裏では貞宗も動いていたようで盛頼は貞宗にいちいち報告しています。その報告を聞いて「品がない」と呆れてますが、盛頼は「借金取りですから」と涼しい顔。
その後盛頼と盛定や新九郎・伊都らの酒宴で貞宗が奉公衆三番衆の小笠原備前守政清を連れてきます。この人物、というよりもこの人物の娘は要注目です。
ヒントを示しますと、この人です。
妙音寺は法音の死に伴い債務の不存在を申し立てますが、幕府の裁定で敗訴し、「それがしとて鬼ではござらぬ。元金の支払いは日延してもようござるぞ。」と言いながら妙音寺を黙らせます。
盛定「お主を見ておるとまるで金貸しが本業のようだの」
盛頼「本業です!」
他にもいろいろ見所がありますが、私としては盛頼の活躍が嬉しいです。