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室町・戦国時代の歴史・古文書講座

歴史学研究者、古文書講師の秦野裕介がお届けする室町・戦国時代の知識です。

古文書入門

後花園天皇、綸旨を取り消される2

後花園天皇が綸旨を取り消される、という事件について取り上げています。 次にあげる「室町幕府奉行人連署奉書」であっさり取り消されています。 hyakugo.kyoto.jp 翻刻から。 神泉苑境内事、号荒野菅二位 在綱卿家雑掌猥被掠給綸旨云々、 於彼地近遍者、有…

後花園天皇、綸旨を取り消される

「綸言、汗の如し」という言葉があります。綸言とは天皇の言葉、汗の如し、というのは汗のように一旦出たら取り消したり訂正したりできないもの、という意味です。 為政者が自分の言った言葉を簡単に翻して、全く恥じなければ、為政者の言葉に重みがなくなり…

後花園天皇宸筆女房奉書

女房奉書について、少し見ていきたいと思います。 題名がそもそもおかしいですね。「奉書」なのに「宸筆」。つまり「奉書」とは主君の意を奉って祐筆が書く書状のはずです。天皇の意を奉じるのであれば「天皇様はこのように仰せである。そこで私が天皇様の意…

『看聞日記』永享七年八月六日条のうちから伏見宮御所移転関係

翻訳から 三条中納言(実雅)が来た。用事は何かわからない。急いで対面した。申される内容は「室町殿様(足利義教)が京都御所を建てられて、それを伏見宮様に進上したいということです。ただ御在京は御仕えする人々にとっては難儀なことなので、このまま伏…

後花園天皇宸翰消息

後花園天皇の宸翰消息です。宸翰とは天皇の直筆のことです。後花園天皇の宸翰消息は散らし書きという特殊な書き方で書かれています。 しかし読みたい現物は宮内庁の所蔵で、国文研のサイトに載せられていますが、思いっきり「禁無断転載」とあります。こんな…

後醍醐天皇綸旨を読む

天皇の命令を伝える文書である綸旨(りんじ)を読んでいきます。 京都府立京都学・歴彩館所蔵『東寺百合文書』ホ14ー1文書です。 hyakugo.kyoto.jp 色の違う部分です。綸旨の最大の特徴はこの色です。詳しくはここをご覧ください。 28. 薄墨(うすずみ)…

織田信長朱印状を読む3

少し間が空いてしまいました。織田信長朱印状を読むシリーズです。前回翻刻までは済ませました。そして印判状のバリエーションを少し見てみました。 では元に戻って、朽木元綱宛織田信長朱印状を見ていきます。 国立公文書館所蔵『朽木家古文書』「織田信長…

印判状のバリエーション

今日は印判状を見て行きます。と言っても、印判状は「印判が捺してあるもの」なんで、印判状と一口に言いましても本当に様々なものがあって、これを「印判状」の一言で処理するのも如何なものかと考えています。 昨日まで見てきた織田信長の印判状です。朱印…

織田信長朱印状を読む2

まずは現物を。 国立公文書館所蔵『朽木家古文書』より織田信長朱印状です。 印判状とも呼ばれます。印判すなわち印章すなわちハンコを捺したことからこの名があります。ハンコ、もとい印判には朱印と黒印などがあります。花押の代わりに印判を捺してあるの…

織田信長朱印状を読む

今回は朱印状を読んでいきます。まずは現物を。国立公文書館蔵『朽木家古文書』三十八号文書「織田信長朱印状」です。 織田信長は人気がありますね。娘の保育園のお友達のお母様に中世史に関心がある方がいらっしゃって、「織田信長が好きです」とおっしゃっ…

足利義晴御内書の検討

www.digital.archives.go.jp 国立公文書館所蔵「朽木家古文書」から「足利義晴御内書」です。 御内書ですから次の三つの特徴があります。 1、年号を欠く書状形式の直状。 2、書止文言が「也」と言い切り。 3、室町殿の花押が据えてある。 中身はざっくり…

琉球宛の「御内書」

弘前大学の関根達人先生から反応をいただいたので、琉球と室町幕府の関係について、少し見ていきたいと思います。 現在残存している日本国王→琉球国王宛文書は四通です。ちなみに日本国王は「室町殿」、琉球国王は「世の主」と呼ばれていました。 最初の一通…

御内書

前回までしばらく連署奉書をやってました。今日は御判御教書(ごはんのみぎょうしょ)と並ぶ代表的な室町殿が発給する直状(じきじょう)形式の文書である御内書(ごないしょ)について見ていきます。 御内書は室町幕府の後期になってくると急増する文書で、…

室町幕府奉行人連署奉書の解説6−折紙奉書

では恒例となりました京都府立京都学・歴彩館所蔵『東寺百合文書』ニ−44−6文書です。 ニ函/44/6/:室町幕府奉行人連署奉書|文書詳細|東寺百合文書 ちなみに今日、ブログの書き方を教えるというオンラインセミナーを見てきました。ベネフィットが必要な…

竪紙奉書補遺

『満済准后日記』を繰っていて外宮遷宮関連の記事を見つけました。 ちなみに満済とは、足利義満・足利義持・足利義教の三代の護持僧を務めた真言宗の高僧で、醍醐寺三宝院門跡です。 有名な事績としては義持が死ぬ時に枕頭に侍り、後継者をめぐってくじ引き…

室町幕府奉行人奉書の解説5−折紙奉書

続きです。もう少しスピードアップしたいと思います。 ニ函/44/6/:室町幕府奉行人連署奉書|文書詳細|東寺百合文書 二行目から見ていきます。 一字目は「申」と問題なく読めます。「山城國」もそう問題はないでしょう。「城」がなれないとむずかしいかもし…

室町幕府奉行人奉書の解説4−折紙奉書

今日は折紙奉書を見ていきます。 ニ函/44/6/:室町幕府奉行人連署奉書|文書詳細|東寺百合文書 京都府立京都学・歴彩館所蔵『東寺百合文書』ニ−44−6号文書です。 前回まで取り上げてきた文書に比べるとかなり字が崩れています。宛先が東寺なので、前回取…

室町幕府奉行人連署奉書の解説3−竪紙奉書

引き続きニ−49号文書です。 ニ函/49/:室町幕府奉行人連署奉書|文書詳細|東寺百合文書 一応釈文をつけておきます。 東寺領若狭国太良庄造 外宮役夫工米事先々免除 上者可被止催促之由所被仰 下也仍執達如件 永享二年閏十一月十日 肥前守(花押) 加賀守…

室町幕府奉行人連署奉書の解説2−竪紙奉書

では室町幕府奉行人奉書の現物を見ていきましょう。 前に出した京都府立京都学・歴彩館所蔵の『東寺百合文書』ニ−49号文書です。 ニ函/49/:室町幕府奉行人連署奉書|文書詳細|東寺百合文書 漢字はそんなに難しくないですね。では見ていきます。 東寺領若…

奉書ってなんだ?

直状と奉書については、小島道裕『中世の古文書入門』23ページを読んで下さい、では困るので、説明します。小島先生の『中世の古文書入門』を読めば本当によくわかります。 小さなプリンセスソフィアを使って説明しようと思いましたが、著作権とかいろいろ…

室町幕府奉行人連署奉書の解説1

私の独断と偏見で、御判御教書と並び、室町時代を代表する2大文書と決定した室町幕府奉行人連署奉書を見ていきます。奉行人奉書というのもあって、こっちの方がメタなんですが、奉行人奉書で東寺百合文書WEBを検索すると、本当に奉行人が一人で署名している…

足利義持御判御教書のまとめ

まずは写真。 京都府立京都学・歴彩館所蔵「東寺百合文書」ヒ−68号文書の「足利義持御判御教書」です。 室町古文書を代表する文書の形式の第一として私は「御判御教書」を挙げました。「御判御教書」とは、名の通り「御判」つまり室町殿の花押(判)が書か…

足利義持御判御教書の解説

まずは写真から。 京都府立京都学・歴彩館所蔵「東寺百合文書」ヒー68号文書。 「東寺領山城国植松東庄」は、ざっくり言うと、現在の西大路駅の東側になります。 具体的に言えば、西大路の少し東側から御前通りまで、梅小路から九条通までの地域が東寺領植…

室町古文書を実物を見ながら読んでみる

では前回の続きです。「東寺百合文書」ヒ−68号文書、足利義持御判御教書(京都府立京都学・歴彩館所蔵)です。 実は文字自体はそれほど崩れてません。そういうのを選びました(笑)。 実はこの文書に釈文(しゃくもん)が付いています。 ヒ函/68/:足利義…

室町・戦国古文書の実物を見ながら様式について勉強する

室町・戦国古文書を知るためのこの一枚、ということであれば私は迷うことなく室町殿御判御教書(「むろまちどのごはんのみぎょうしょ」、ちなみに「ごはんのみきょうじょ」、と読む人もいます。私もその一人です。しかしパソコンで打ち込むとデフォルトでは…

戦国古文書の習得のコツ

世間で「古文書講座」「古文書講師」というとだいたい江戸時代が多いようです。「古文書教室 京都」で検索すると、ラボール学園もヒットしますが、そこで出てくるのは小林保夫先生の江戸古文書です(笑) 府市民教室 2017年度第1期 文芸・歴史コース 江戸古…

古文書って何?

「室町・戦国時代の歴史・古文書講座」ということで、一応室町時代の研究者で古文書講師も務めております秦野裕介がお送りします。 「古文書って何?」という質問に対する答えですが、江戸時代の人の「古文書」と戦国時代以前の人の「古文書」とは実は違いま…